2019/04/27

以下、2019年の1月の日記を転載。

 

年明けて以来、高く掲げた目標に反して気の緩んだ生活。お陰で日記もままならず。服に散財するに至っては我ながら反省のなさ甚だしく、恥じ入る次第。年始より君子危うきに近寄らず、の言を噛み締める。(1/5 渋谷を訪ねたのが失態のもと)。
『面白すぎる日記たち』読了。様々な形式と陰に陽に表現される機微の事例集。古来からこの国のまめまめしく日記をつける習俗は凄まじい。今日のブログやSNSの隆盛だろうか。
短い文章に美を感じる。分けても一兵卒の従軍記。木戸幸一の韜晦的な文章も良し。一方で年末から葛原妙子の短歌。韻律を見出すのに苦戦している。読み慣れない。

硝子戸の 罅深まりし 冬籠り
鐘の音も 朝日も拝まず 冬休み

(2019.1.6)

 

風邪気味。
おでん、常夜鍋、茶漬け、納豆。
去年の暮れ頃から炭水化物の摂取量が減る。

『人はなぜ服を着るのか』を読み始める。身体論が最初の議題。逆説的に昨今のSNS隆盛、視覚優位の時代におけるブランドロゴの頻用の所以も了解される。

暖かくして寝たい。

(1.7)

 

労働。疲弊。
だいたい60くらいがこの身体の寿命の最大だろう、という漠然とした予感。当たるだろうか。

(1.9)

 

今朝の夢ふたつ。
ひとつ親類と旅行へいく。スキーなどをした。帰りにホテルの趣向でクジを引ける。我々は3日滞在したので3枚引くと文字がそれぞれ3つ。ちゃんと全部揃うと「ろっほながー」という文字になるがそれはTwitterのフォロワーの名前であることを夢の中でも知っている。

もうひとつこれも巨大な宿泊施設。少年自然の家のような場所。神様を祀った祠がふたつある。そこで高校時代の面々と顔を合わせて談笑や喧嘩をする。施設の長は悪い人間で、彼から逃げる為に一人夜の施設の庭園内を隠れて移動しながら飛石のある川面に映える、或いは森の上に掲げられている月を写真に収めようとするがブレてうまくいかない。
施設を引き払う日の朝、施設長はおのれの権力の象徴としての祠が不要になったというので取り壊しを命じる。坂の上の祠が重機で破壊されて周りの住民もぼくも悲しい。周囲の建物の瓦の上にある顔のある壺なども悲しい顔で屋根から飛び降り自殺同然。その夜、破壊された祠の付近の隠された場所を見つける。礫の向こうにミッドナイトブルーの海水が凪いでいて、そこにある翡翠を手で掴み煙草の空き箱に詰めて持ち帰る。(1.13 朝)

 

 

昨日である土曜日の夢でラフシモンズに会う。詳細は記憶していないが彼は同性愛者として苦しんだ過去があった旨の話を打ち明けてくれる。話を聞いているうちにぼくも泣きたくなって二人で泣くそんな夢。連日パリコレを確認していた所為か。
そのほか、雨の日にKをデートに誘おうとするものの結局誘えないままになる夢も見た。

日曜日には拳銃で他人が撃たれる夢。

日曜日は春日さんと大江戸骨董市へ。フレンチアンティークやら煙管、時計やらを物色。物が多すぎて却って物欲が消失。半年ROMって物の良し悪しを判別する眼を養いたい。足元に冷気がわだかまって寒いことこの上ない。

その後印刷博物館天文学と印刷の展示。当時は科学と未分化だった天文学への碩学らの取り組みの真剣さは現代の占術とは比較にならない濃度。そこより精緻で美しい図版も生じている。酒を飲み、そろそろ蕩尽も終わらせようと誓う。生活と休養第一。(1.20)

 

昨日銭湯に寄った効能か快い目覚め。
加藤さんにLINEの返事の後、洗濯物を干す→図書館へ本を返却→北千住駅中で蕎麦を食う→書肆逆光で古溝さんの第一詩集『きらきらいし』購入。吉岡実『神秘的な時代の詩』も。鈴木さんと詩という本の形状のもたらす視覚的影響について話す。要は詩文庫とオリジナルな詩集との違い。歩いて銀座へ。
ランバンの店員に新年の挨拶。鷲頭さんはランバンの世界中の店員の中でも4番目に売上が多いとのこと。昔の販売員時代の話を聞く。相変わらず話が面白いひとだ。服飾の販売員は普通の社会では生きてゆけない破天荒なひとが多いという。
綾瀬で春日さんと会って飲む。金を貸す(2300円)。寒い一日だった。逆光の鈴木さんが雪が降るかもと言っていたが降らなくてよかった。(1.26)

 

 

晴れ。草野心平詩集と、詩集『きらきらいし』を読む。人間関係の疎密に思い悩む。他愛ない。子供みたい。いつまでも。

ずっと寝たい。そのことを果たせないでいる。(1.27)